シュトーレンを知る旅日記 9月号
こんにちは。カゴノオトスタッフのあきです。
先日ご近所さんから今年の新米をいただきました。
また、四万十に住み始めて9年くらい経ちますが、
近くのお寺で人生で初めて栗拾いもさせてもらい(私の住む地域は栗の産地なのです)、
実りの秋を堪能しています。
Photo by Hannah Pemberton on Unsplash
さて、朝晩冷え込むようになってきた季節、
今月の旅日記は体が温まる飲み物Glühwein(グリューヴァイン)について調べてみました。
ドイツ語ではGlühwein、英語ではmulled wine (モールドワイン)
またはspiced wineなどと呼ばれるこの飲み物は、
スパイス入りのホットワインのことで、ヨーロッパのクリスマスマーケットの定番です。
Photo by Ed Hinchliffe on Unsplash
私は体質的にアルコールがとっても弱く、普段はお酒を全く飲まないので、
ビール、ワイン、焼酎、日本酒、ありとあらゆるお酒のことに全く詳しくないのですが
Glühweinにはとても惹かれます。
なぜなら、
・砂糖が入っていて甘いのでお酒が苦手でも飲める
・スパイスの香りや風味がとても好き
・クリスマスの空気感が味わえる
というのが理由です。
旅日記6月号でとり上げたSpekluatiusや8月号で紹介したLebkuchenと共通しているのは、スパイス。
https://www.kagonote.com/archives/4922
https://www.kagonote.com/archives/5691
一般的なシュトーレンにはドライフルーツとスパイスを使用しています。
保存食であるドライフルーツが、作物がとれない冬の栄養のある食べ物として
重宝されてきたように、香辛料もまた、冷蔵庫のない時代には
腐敗防止の手段として多用されてきました。
夏が短く冬が長いヨーロッパでは、体を温める香辛料を使ったお菓子や飲み物が多いのも頷けます。
(『どんな国?どんな味?世界のお菓子 ヨーロッパのお菓子 4』服部 幸應/監修・著 服部 津貴子/監修・著 岩崎書店 2005 p.9)(『ドイツ菓子大全』技術監修 安藤明 柴田書店 2012 p.241)
寒い冬の夜にクリスマスマーケットで飲むGlühweinは、
スパイスとアルコールで体がポカポカ温まりそうです。
ちなみに、手書きで書かれた最も古いGlühweinのレシピは1834年のもので
シュトーレン発祥の地、ドレスデンで発見されたそうです。
https://www.dw.com/en/the-origins-of-mulled-wine/av-17317002
イギリスのmulled wineには、オレンジ、レモン、シナモン、ナツメグ、フェンネル、
スターアニス、クローブ、カルダモン、ジンジャーが入っています。
ドイツのGlühweinには、シナモンスティック、クローブ、スターアニス、オレンジ、
砂糖、 バニラビーンズが入っているそうです。
ラムや他のお酒をショットで加えたり、
赤ワインの代わりにキルシュやブルーベリー酒などの果実酒を使用するものなど、
種類もいろいろ。
アルコールの度数は7パーセント以上と決められているGlühweinですが、
子ども向けにはKinderpunsch というノンアルコールも。
写真のFeuerzangenbowleというグリューヴァインは、
ラム酒に浸した角砂糖を上に浮かべて火をつけ、青い炎がろうそくみたいに燃えている状態で飲むのだとか。
https://en.wikipedia.org/wiki/Mulled_wine
https://tokuhain.arukikata.co.jp/berlin/2013/11/gluhwein.html
Photo by Ed Hinchliffe on Unsplash
クリスマスマーケットでは陶器でできたマグカップで出してくれますが、
その柄もお店や場所によってそれぞれ違っていて、味だけでなく、
マーケットの雰囲気、香りとともに目でも鼻でも楽しめます。
これは、スコットランドのエディンバラのクリスマスマーケットで飲んだmulled wineのマグカップです。
Glühweinのレシピはネットで多く紹介されているので、ぜひチェックしてみてください。
ちなみに、カゴノオトのシュトーレンは素材の味をそのまま楽しんでいただきたいので、
生姜をアクセントにして、その他のスパイスを使わずに作っています。
スパイスたっぷりのGlühweinとの相性も良さそう。寒い季節が楽しみになってきました。
2021年9月30日