シュトーレンをおいしくする紅茶のキホン

国産の紅茶は、実は高知県が発祥ということをご存知ですか?
四万十川流域でも昔から広くお茶の生産が行われ、その過程で国産の紅茶(和紅茶)も誕生しました。
昭和40年代に海外からパック紅茶が輸入されて一時期は下火になったものの、その後四万十では和紅茶が復活し、知る人ぞ知る銘柄として評判を呼んでいます。
そんな四万十地域で和紅茶の復活に携わったのが、和紅茶プロデューサーの赤須治郎さん。
普段は金沢を拠点に、地紅茶ライブを主催、和紅茶プロデューサーとしてもご活躍されています。
カゴノオトにもご縁のある赤須さんに、シュトーレンを美味しく楽しむ紅茶の極意を教えてもらいました。
紅茶はペアリングではなく、リフレッシュするもの

小清水が赤須さんとお話した際に、「紅茶は甘いものとペアリングをするものではなく、紅茶を飲むことで一旦リセット(口直し)するもの」だと伺いました。
普段、シュトーレンとの組み合わせをペアリングとして捉えていた私たちにとって、ハッとさせられる視点でした。
ということで今回は、紅茶と甘いものの関係を、ペアリングとは違った視点から赤須さんに語っていただきます。
お茶と洋菓子との関係

(赤須)ストレートの和紅茶(砂糖、牛乳、レモンなどを加えていないもの)を飲みながら、お菓子を食べると、無限に食べ続けられるように感じることはありませんか。
和紅茶で口の中が洗い流され、味覚もリフレッシュされ、更に食べたくなるからです。
和紅茶の苦み、渋みがその原因と思われます。
無糖で自然な飲み物である和紅茶が、次第に好まれるようになってきた理由も、このあたりにあります。
ただ、最近は、和紅茶とティーフード(お茶菓子、お茶請け)との「ペアリング」や「マリアージュ」という考え方が登場しています。
例えば、レモンドリズルケーキと紅茶を組み合わせ、紅茶がレモンティーのような味わいになることを楽しむ方法もあります。
あるいは、乳脂肪たっぷりの濃厚な洋菓子にスパイシーな和紅茶チャイを組み合わせ、ゴージャスな味わいを楽しむこともできます。
紅茶は嗜好品ですので、いろいろな楽しみ方があって良く、たとえ自分の価値観と違ったとしても、互いに認め合うことが、大人のたしなみだと思います。
1年シュトーレンをリフレッシュする和紅茶、おすすめは?

(赤須)まず、オススメしたいのが高知県産の和紅茶です。
理由は、観念的ですが、同じ土地で作られているものは相性が良いと考えているからです。
私たちのグループの調査では、高知県では佐川、仁淀川、いの、津野、四万十など11地域で和紅茶が作られています。

経験的に言うと、和紅茶はその産地で淹れると、美味しく淹れられます。私の紅茶仲間も同様の経験をしています。
次に、“紅茶らしい和紅茶”をお好みの方にオススメしたいのが「夢ふうき(鹿児島県、薩摩英国館)」です。
“べにふうき”という紅茶用品種で作られた和紅茶。気品のある味と香りが、カゴノオトの1年シュトーレンの複雑な味わいと合います。
日替わりで楽しめる紅茶のアレンジ

シュトーレンの食べ方にならい、毎日一切れずつ食べる方には、和紅茶も日替わりで試すことをオススメします。
たとえば、生姜紅茶。
生姜も紅茶も国産のティーバッグは市販のものがありますが、私は自分でアレンジします。和紅茶を淹れ、ジンジャーシロップ(四万十町の桐島畑産)を加えたら出来上がり、簡単です。紅茶の中のジンジャーが、シュトーレンの中から生姜の味を探り当てます。
同じように柚子紅茶も、シュトーレンの中から柚子の味を引き出します。
私の主催するお茶会で、カゴノオトの1年シュトーレンと「ウィンターティー」(熊本県、お茶のカジハラ)の組み合わせが喜ばれました。生姜、シナモン、ピンクペッパー、柚子ピールをブレンドしたスパイスティーです。複雑な香りがシュトーレンと合い、また、香辛料を利かせた紅茶が、カラダを温めてくれるようで、幸福感に包まれた、という感想でした。

赤須 治郎
地紅茶学会(会長)
地紅茶ライブパフォーマー、和紅茶プロデューサー
2025年12月19日







