よい落とし所はいづこ

東京に暮らしてた頃舞台作りに携わっていました。
その舞台は障害のある人やない人が参加し形作っていく舞台で、今思えば実験的な試みでした。
(詳細はこちら↓西東京アクターズスクール)
http://fantasycap.lolipop.jp
それまで自分自身、障害を持った人達とそんなに関わって来なかったので、戸惑う事も多かったけど、少しずつ交流を深めて行くと、1人1人がなんとも言えない柔らかな時間を持っていて、それが新鮮でとても楽しかったです。


そこに参加する一方で仕事はホテルの厨房だったので、毎日毎日怒涛の忙しさに追われ働いていました。

料理は好きだったので苦にはなりませんでしたが、朝から晩まで働く日々に疲れてもいました。
そんな中、休みの日に障害のある人や舞台や表現に触れる事で、何かがほぐされていって、また仕事に向かう事が出来ていたように思います。
そんなある日。
東日本大震災が起こり原発が爆発したけれど、爆発してないと言われ、NHKの映像がライブから静止画に変わりました。
そこで自分も日本社会も「もうこのスピードでは無理だ」と思って何かを変えるために四万十へ引っ越しました。
そして、畑、出店、出張料理、カフェ、お菓子作り、ライブツアー、イベント企画と出来る事も出来ない事もがむしゃらにやって5年が経ちました。
それでも安定した収入は程遠く、力を色々分散させるのではなく1つに集中させていかないと店を続けていけないと思うようになりました。
力を集中させるためには、効率重視で無駄を省く必要があるからシステマチックにやっていかないと結果に繋がらない。
それはともすると自分が無理だと思った日本社会のスピードに合わせて行く事になると思い、そうでない方向を目指してやってきたのにと悶々としていました。


収入も大事だけど、障害を持ってる人がもたらしてくれる柔らかな時間や、障害の有無に関わらず一人一人が表現して発する何かに魅力を感じているから、それと仕事との折り合いを付けていくために、明らかにキャパをオーバーするのは分かっていてもお店で企画をしたり表現をしたりしてるのだと思いました。

ジャンルも様々な人のライブやワークショップやお話し会や芸術祭。
一見分かりづらいイベントかもしれないけど、それらがあるから自分自身何かがほぐされて、息が出来るようになって仕事にも向かえるのだなと。
早いスピードの社会と柔らかな時間とのいい落とし所はまだまだ見つかりませんが、これから迷いながら見つけていきたいと思っています。
そんなこんなで、今後ともカゴノオト、末長くよろしくお願いたします。
カゴノオトwebsite
 http://www.kagonote.com/

2016年10月1日

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