シュトーレンガールとは?ドイツ・ドレスデンで毎年選ばれる「Stollenmädchen」

シュトーレンのことを調べていて、ドイツ・ドレスデンのシュトーレンの公式サイトを見ていました。
最近は翻訳機能がついているので、ドイツ語がわからなくても結構読める(!)のです。
そこで見つけたのが、
Stollenmädchen
という言葉。
Stollen = シュトーレン
Mädchen = 少女、女の子
つまり、直訳すると「シュトーレンガール」。
シュトーレンのふるさと、ドイツ・ドレスデンでは、毎年ひとり「シュトーレンガール」が選ばれているというのです。
いったい何をする人なんだろうと思い調べてみることにしました。
ドイツには「シュトーレンガール」がいる
ドイツ・ドレスデンでは毎年ひとり
Dresdner Stollenmädchen
が選ばれています。
ドレスデン・シュトーレン保護協会が選ぶ、ドレスデン・シュトーレンの公式ブランドアンバサダー。
選ばれたシュトーレンガールは、1年間、ドレスデンのシュトーレン職人たちとそのシュトーレンを代表して、さまざまな場所でPR活動を行います。*1
選ばれるのは「シュトーレンを知っている職人の卵」
現在、シュトーレンガールに選ばれるのは、パン職人、菓子職人、専門販売員などを目指して修業している若い女性たち。
シュトーレンづくりの知識や、ドレスデン・シュトーレンの歴史についての知識、職人としての姿勢なども選考で見られるのだそうです。*2
つまり、
「シュトーレンガールになるには、まずシュトーレンを知らなければいけない。」
ということなのだと思います。
単なるPRガールではなく、ちゃんとシュトーレンをつくる現場を知っている人が、その年のシュトーレンの顔になるんだそう。
1年間、シュトーレン職人たちの代表になる
シュトーレンガールになると、1年間、テレビやラジオ、クリスマスマーケット、国内外のイベントなどに出演して、ドレスデン・シュトーレンを伝えていきます。
年によっては50ほどの公式行事に参加するのだそう。*3
そして毎年開催される「ドレスデン・シュトレン祭」では、祭りの顔として大切な役割も担います。
シュトーレンガールが初めて選ばれたのは1995年。
初代はSophia Looßさんでした。*4
そこから30年以上にわたって、毎年ひとりずつシュトーレンガールが選ばれています。
2025年に選ばれた31代目のシュトーレンガールは、17歳の菓子職人見習いJohanna Wormさん。
若い世代がシュトーレンの伝統を受け継ぎ、その魅力を外へ伝えているのです。
1994年、ドレスデンで「シュトレン祭」が復活
現在の「ドレスデン・シュトレン祭」のルーツは、今から約300年前にさかのぼります。
1730年、ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世、「アウグスト強王」は、大規模な祝祭「ツァイトハイン野営地」を開催しました。
その目玉として焼かれたのが、巨大なシュトーレン。
ドレスデンのパン職人たちによって、重さ約1,800kg、長さ約7mもの巨大シュトーレンがつくられ、24,000個に切り分けて来賓や兵士たちに振る舞われたそうです。
この出来事が、現在のドレスデン・シュトレン祭の起源とされています。
そして264年後の1994年。
再び1,800kgもの巨大なシュトーレンが焼かれ、ドレスデン旧市街で現在の「シュトレン祭」が始まりました。*5

「ブランドは人によってつくられる」
ドレスデン・シュトーレンの公式サイトを見ていて、もうひとつすごいなと気になったものがありました。
Marken werden von Menschen gemacht
直訳すると、
「ブランドは人によってつくられる」
という意味だそう。*6
単に商品を製造するということではなく
職人の仕事。
受け継がれてきた技術。
そこに携わる人たちの思い。
若い世代へ伝えていくこと。
そうしたひとつひとつの積み重ねによって、ブランドの価値がつくられていく、ということなのだと思います。
シュトーレンという伝統やブランドをつくっているのは、結局そこに関わる人たちなのだ。
ドレスデン・シュトーレンがこれほど有名になり、何百年もの歴史をつなぎながら今も多くの人に愛されているのも、こうした小さな積み重ねがあるからなのでしょう。
ひとつのお菓子を残していくために、レシピだけを守るのではない。
作る人を育てる。
その人に歴史や物語を渡していく。
そして、その年のシュトーレンの物語を「シュトーレンガール」というひとりの人が外へ伝えていく。
ドレスデンでは、そんな取り組みを30年以上続けているんですね。

四万十でシュトーレンを作りながら思ったこと
ドレスデンには、何百年ものシュトーレンの歴史があります。
四万十で私たちがシュトーレンを作り始めてからの時間は、それに比べたら、ほんのわずかです。
だけど・・
土地で採れたものを受け取り
その年の季節を仕込み
シュトーレンにして
今年もまた誰かのところへ届ける。
そんな小さな積み重ねを私たちも毎年続けています。
その小さな積み重ねが、四万十のシュトーレンというブランドになれるように。
ドレスデンには及ばないけど少しずつ少しずつ積み上げていきたいなと改めて思いました。
今期の製造が始まった1年かけた四万十の旬でつくるシュトーレンを今年も丁寧にお届けしていきたいなと思います。

*1 ドレスデン・シュトーレン保護協会「Dresdner Stollenmädchen」
*2 同上
*3 Handwerkskammer Dresden
*4 Sächsische Zeitung「Die Dresdner Stollenmädchen seit 1995」
*5 ドレスデン・シュトーレン保護協会「Stollenfest」
*6 ドレスデン・シュトーレン保護協会
参考サイト
https://www.dresdnerstollen.com/stollenmaedchen/?utm_source=chatgpt.com
https://www.hwk-dresden.de/fileadmin/user_upload/mb/HWK-Allgemein/DHZ/DHZ_Dresden_2023-20.pdf
この記事を書いた人
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小清水緑
カゴノオト共同オーナー
東京で障がい福祉の現場に携わる中で、多様な人の暮らしに触れる。
自身の「生きにくさ」と向き合い、それもひとつの個性だと受け止められたことが転機に。
できることを大切にしたいと四万十町へ移住。
四万十町で暮らし出会った農家さんが育てる豊かな素材に驚き、大切に育てられた素材をシュトーレンに入れようと思いつきシュトーレンづくりを始める。
四万十の農家さんの恵みや物語を受け取り、季節や思いをシュトーレンに乗せて全国へ届けている。
誰かの1年の時間にそっと寄り添えるシュトーレンを。
社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士
2026年9月30日










